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己を、知れ――
夕暮れ時。
マンションのベランダで、階下を見た。
決して低い位置にない柵に手をかけ、離そうとした、その時。
向かいのマンションから、窓を叩く音が聞こえた。
スケッチブックに描かれる乱れた字。
「U(ユウ)」と名乗った隣人は何故かこちらにも「I(アイ)」というふざけた名前を付けた。
月に2度、このベランダで話そうと書いた隣人に気力が失せて、足場のない自室に戻って、倒れこむ。
あぁ、なんだか酷く――疲れた。